New ロンドナーになるのだ!

Twiggyをこよなく愛するチオリーヌのロンドンライフやイギリス人夫との国際結婚ネタをお届け!イギリスへのワーホリ、語学留学、国際結婚に興味がある方必読♪

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1.第1章はじまりのキス1節ロンドンの真冬の日

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――生まれて初めて正式に恋人になっていない人とキスをしてしまった。でも私はこの時はっきりとジョンのことが好きなんだと確信することになった。ロンドンで一番お気に入りのビッグベンのきれいな夜景が見えるテムズ川沿いでの、ジョンとの初めてのキスはきっと、一生忘れられないキスになると思う。だって、去年の8月、日本を出発する時には、自分の気持ちがほかの誰かに移るなんてこと想像もつかなかったし、それにこんなにも誰かのことを好きになって他のことが手につかなくなるなんてことが自分にもあるんだなんて知らなかったから。でもこの気持ちに気づいてしまってから、私の人生は本当に180度変わることになった。自分のすべてをぶつけてくる年下の可愛いジョンとの出会いは、今まで経験したことのないことばかりで、私はこの日、世界で1番幸福だけれど難しい選択肢の前に立っていた。

最初の出会いは、ロンドンの真冬の日だった。

「うわー。今日も寒そう」

朝8時になっても明るくならないロンドンの冬の朝は、いつもベッドからすぐにでるかでないかで1人戦いになる。でも、彩花はそんな冬の朝も嫌いじゃなかった。ロンドンにきて、6か月目になろうとしていて、まだまだ毎日新しいことの連続でワクワクしていたから。

彩花はロンドンの大学院に通う28歳、これといって何か魅力があるかと言われると難しいけど、よく人に言われるのは“天真爛漫”ってこと。去年、新卒から続けてきた銀行を辞め、憧れだったロンドンの大学院への留学を実現した。

「おはよう!彩花」

キッチンにいると、いつも朝同じ時間に家を出る、フラットメイトの真理が声をかけてきた。ロンドンでは基本的に、1つの家を3~4人くらいでシェアする。なのでキッチンやバスルームなどは共同で、フラットメイトと仲良くなると悩み相談にのってもらったりといろいろ助けてもらえることも多い。

「おはよう! 今日からついに銀行のインターンだよー! 緊張するー」

「彩花なら大丈夫よ! ビジネス科の大学院だと2学期のインターンが結構大切みたいだしね。私の友達も銀行のインターンをやっていたけど、そこでかっこいいイギリス人の彼氏みつけてたわよ^^。彩花も見つけちゃえば~?」

「えー本当にー? でも、言ったじゃん! 私日本に彼氏いるしさ! 」

「聞いた聞いた。ま、もしかしたら王子さまいるかもよ! がんばってね」

真理は29歳で、ファッションデザイナーやっているかっこいい女の子だった。いつだって、ハイテンションでロンドンに来たばっかりの時ちょっとホームシックになったりしてもいつも助けてくれたし、ロンドンで一番頼りになる友達だった。

「あ、やっばい!! 急がなくちゃ初日から遅刻はまずい」

慌ててバッグに必要な書類を詰め込んで、バスストップへ走る。今日から大学院の必修科目でもある銀行でのインターンが始まる。日本でも銀行で働いていたし、まったく初めてというわけではないけれど、やっぱりどこにいっても初日というものは緊張する。

彩花は今大学院に1年間留学していて、学校は3学期制。1学期は生徒みんなで受講する授業が多くって、2学期はインターンが主に入ってくる。そして3学期は論文に追われるといった感じだ。イギリスの大学院は1年間で卒業できる。社会人をドロップアウトして勉強したい彩花くらいの年の人にはぴったりのプログラムだ。

インターン先につくと、ボスがいろいろと内容を説明してくれて、なんとか午前中は切り抜けた。

「じゃあここがキミの席になるから、もしなんかわかんないことあったら隣の子に聞いてくれるかい?」

「あ、はい。わかりました。ありがとうございます」

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公開日:
最終更新日:2015/07/31