New ロンドナーになるのだ!

Twiggyをこよなく愛するチオリーヌのロンドンライフやイギリス人夫との国際結婚ネタをお届け!イギリスへのワーホリ、語学留学、国際結婚に興味がある方必読♪

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3.第1章はじまりのキス 3節違い

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「キミを家まで送っていくよ」
「平気。1人で帰れるよ」
「何を言ってるんだよ。誘ったのは僕なんだから送っていくに決まってるだろ? さあ、行こう」
さすが、紳士の国だなあなんて思いながらも彩花は、ジョンと話せるチャンスが出来てラッキーだと思った。
「ジョンはなんで日本語を知っているの? びっくりしちゃった」
「高校を卒業してから大学に入るまでの1年間日本に住んでいたんだ。ボランティアで日本に行けるプログラムがあったから、応募したんだ。だから、日本語がちょっと話せるんだよ。日本にもあるだろ? ギャップイヤーを利用したんだよ」
「え? なにそれ?」
「日本にはないの? イギリスでは高校を卒業して大学に入学するまでの1年間、世界中を旅したり、ボランティアをしたりして、視野を広げるんだよ」
「それ、最近ニュースで見たかも。日本でも導入されるみたいだけど、そのブランクって不安じゃない?」
「ブランク? どこがブランクなの? たくさんの経験を積むことができるのに?」
これはイギリスと日本の教育の違いかもしれない。日本では高校を卒業して大学に入るまでの1年間のブランクがあれば、浪人していたとかなぜかネガティブなイメージをつけられがちだけど、イギリスではその1年間に何をしたかがその後の人生に大きくつながってくるようだ。
「日本人はとても働き者で、新しいアイデアをたくさん生み出すことができるからすごいと思ってるんだ。だから僕らよりもなにか特別な経験を積んでるのかなと思うこともあるけど、そうじゃないの?」

ジョンからいろいろ聞かれれば聞かれるほど、彩花はちょっと困ってしまった。外国に暮らすと日本がどれだけ素晴らしい国なのか気づくことができる。また、他国の若い子たちが自分の国の政治や宗教について真剣に考えて意見を持っていることに驚かされ、いかに自分が今までそういう事に対して興味がなかったという事にも気づかされる。だから、自分が学生時代に何か特別なことをしたかと言われると、彩花は答えに困ってしまった。
「日本に暮らして、何か特別な経験を積む事ができた?」
「もちろんだよ。日本には階級制度がないし、みんな礼儀正しいし、もう一度住みたいくらいだよ。それに日本の女性はおしとやかでとても素敵だしね」
そう言って、ジョンはウインクをした。ヨーロッパの人たちはなんでこんなにも自然とウインクができるのがわからないけれど、ウインクに慣れていないアジア人女性はいちいちドキドキしてしまう。
「日本に住んでいた時に、素敵だなと思う女性がいたんだ」
――なぜかよくわからないけど、ちょっとだけがっかり… …。
イギリスではアジアの女性は結構モテる傾向があって、それはおとなしくて小さくて可愛いというところらしい。アジアの女の子全般を好む“アジ専(アジア専門)”と名付けれられた人たちがいるくらい人気だったりする。なんだかそれの一人にされた気がしてがっかりしたのかもしれない。彩花は“彩花”という1人の女の子として見てもらいたいと思った。
「その人とは付き合っていたの?」
「付き合っていたわけではないかな。僕も1年という期限付きだったし」
「そっかあ。今でもその人のこと思い出したりするの? 」
「日本で過ごした時の写真を見たりしてると彼女も写ってるから、今何してるんだろうと思ったりはするかな。僕は素敵だと思った異性の事を無理して忘れる必要はないと思うし、キミも今までの彼氏で素敵だと思った人の事を忘れてないだろ? 」
「確かにそうかも」
そう言いながらも、ちょっと違うかなという気もした。基本的に欧米の人たちは、「付き合ってください!」とか、明確な告白をして付き合うわけではなく、何となく一緒に過ごすことが多くなって付き合っているという感じになることが多い。だから、キスをしたり例え体の関係があったとしても、「え? 僕たち恋人じゃないよね?」なんてこともある。
それから、日本でジョンはいろんな施設で英語の先生のボランティアをやったりしたこと、富士山に登って感動したこと、日本食大好きだけど納豆だけは食べられないことなどいろいろ話していたけど、その日本にいたときに素敵だと思った人の話が、どうしてかひっかかってしまって、他の話に全然集中できなかった。
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公開日:
最終更新日:2015/07/31