New ロンドナーになるのだ!

Twiggyをこよなく愛するチオリーヌのロンドンライフやイギリス人夫との国際結婚ネタをお届け!イギリスへのワーホリ、語学留学、国際結婚に興味がある方必読♪

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6.第1章はじまりのキス 6節週末のお誘い

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「ところでキミは恋人はいるの? 」

突然ジョンが一番聞いてほしくない質問を投げかけてきた。でも、この時彩花は自分でもびっくりするくらい間を開けずに、嘘をついてしまった。

「いないよ! キミは?」

「僕も今いないかな。そうか。週末のキミの予定は? 最近料理にハマっていて、イギリスの伝統料理を作ってあげるから来ない? こうみえても、僕が料理得意なんだ」

「行きたい!」

ジョンはおうちの前まで送ってくれて、ほっぺにキスをしてくれた。いつもは抱きしめるだけだったから、なんだか嬉しくってウキウキしてしまった。

「おーい!みーたーぞー!」

家に入ると真理がニヤニヤしながらキッチンから出てきた。キチンからフラットのゲートが見えるので、ジョンとバイバイしているのをみられたらしい。

「え? なに? 会社の同僚だよ!」

「なにが同僚よー! ハグしてたじゃん! ほっぺにキスしてたじゃん!」

「え!? だってだって、別に外国人なら普通でしょ。もうからかわないでよ!!」

「彩花なにってんのよ~! スペイン人やイタリア人は抱きしめてホッペにキスっていう風習あるけど、イギリス人は友達同士ではほとんどやらないわよ。彼は彩花の事が好きなのね~ ひゅーひゅー! 日本の彼氏どうすんのよ~」

知らなかった。確かに、会社のみんなと飲んだ後も、いちいちハグしてほっぺにキスなんてしてないし、私と2人でいる時だけかも… …。

部屋に戻ると、彩花はまたドキドキが再発してきてしまった。というか、日本にいる彼に対してちょっとした罪悪感が生まれていた。罪悪感が生まれるってことはもしかしてジョンの事を好きになり始めているのかもしれない… …。留学経験のある友達からは100%日本にいる彼氏とは別れるという話をされていて、自分に限ってはそんなことはないってずっと思っていたけれど、今、気づいたらジョンのことばっかり考えている自分に気づく。

――あーもう考えてもわかんない。今わかっていることは、ジョンがいると思うと会社に行くのが楽しいし、ジョンと一緒に帰ったりランチしたりするのが本当に楽しいってこと。それ以外のことはよくわかんない。

日曜日、ジョンからのメールに書かれている住所に向かった。

「うーん、この辺だと思うんだけどなあ。」

ジョンの住んでいるエリアはチェルシーと言われる、メイフェアと並ぶ高級住宅街。それに、ヴィクトリアアンドアルバート博物館や自然史博物館といった大きな博物館も立ち並ぶ彩花の大好きなエリアだ。特に、ヴィクトリアアンドアルバート美術館のイギリス王室の行事の時に使われた宝石たちの展示室はきっと女の子は何時間いても飽きないと思う。ロンドンのど真ん中とは思えないような、手入れの行き届いたお庭とビクトリアン調の白い家が立ち並ぶ美しいところで、言われた住所は本当にここにジョンが住んでいるのかなと不安になる。だってそのあたりの家の家賃と言えば、月30万円以上は約束されたようなエリアで正直こんなところに、自分よりも年下の子が住んでいるなんて思えない。

その時、

「アヤカ」

プッッッ!!

ジョンがエプロンをつけたまま出てきたので彩花は笑ってしまった。

「もうすぐできるから、ちょっと座って待っててくれる? 」

ジョンは一人暮らしで、小さな階段がついたロフト付きの部屋に住んでいて、びっくりするくらいキレイ片づけられていた。

――こんな高級な所に住めるなんて、ジョンはボンボンだな。

ジョンが料理している間、ぼんやり部屋を見渡して何か面白いものがないか探してみた。

――あ、これってもしかして… …。
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公開日:
最終更新日:2015/07/31