New ロンドナーになるのだ!

Twiggyをこよなく愛するチオリーヌのロンドンライフやイギリス人夫との国際結婚ネタをお届け!イギリスへのワーホリ、語学留学、国際結婚に興味がある方必読♪

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8.第1章はじまりのキス 8節甘く必要不可欠な関係

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ゆっくりとジョンとの距離が近くなった。でも、その距離が3センチくらいになった時、彩花は自分でもわからないけどジョンとの距離を遠ざけてしまった。あの写真の彼女のこと、それに彩花には日本に彼氏もいる。たとえそれがジョンの気まぐれなキスだとしても、彩花にとっては気まぐれで終わらなくって、もっともっと苦しくなって、溶けてなくなってしまいそうだったから。と、同時に自分が真面目に生きてきてしまったことがつまらなく思えた。

「家に入るね」

ジョンはちょっと、びっくりした顔をしたけど、もう一度彩花にハグをして帰って行った。

気まずくなることを心配してたけれど、全然そんなことなく、ジョンはいつもと変わらず優しくて、本当に私は四六時中ジョンの事で頭がいっぱいになってた。きっと日本人の男の子だったら気まずい雰囲気が漂っていたのだろうけど。

「キミのインターンもあと2週間だね」

ジョンの残業につきあっていた時、突然ジョンが仕事の手を止めてため息混じりにつぶやいた。

「そうだね。インターンが終わったら論文地獄が待ってて、あっという間に帰国だわ」

その答えに、正直彩花は何か自分たちの関係が変わるかもしれないと期待していたのに、ジョンからの返答がない。

「 寂しいこと言わないでよとか何かないの? あれ、どうしたの? 」

「キミがいなくなったら、僕はすごく寂しい。僕が今素直に自分を表現できる人は、もしかしたらキミだけかもしれないよ」

「え… …」

こんなにも素直に自分の気持ちを表現する人を彩花は今まで見たことがなくて、それにこんなにも自分のことを必要としてくれることが本当に本当にうれしくて可愛くてずっとずっと傍にいたいって思った。

気づくと彩花はジョンのことを抱きしめていた。誰もいなくなったフロアで2人何も言わないまま抱きしめあった。間違いなく2人の気持ちは今一緒だった。でも2人とも何も言わなかった。この空気感をお互い楽しんでたのかもしれない。すごく幸せでふわふわしてて、すごくプラトニックな関係なんだけど、紅茶とミルクの関係みたいに甘く必要不可欠な関係になっていた。
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公開日:
最終更新日:2015/07/31