New ロンドナーになるのだ!

Twiggyをこよなく愛するチオリーヌのロンドンライフやイギリス人夫との国際結婚ネタをお届け!イギリスへのワーホリ、語学留学、国際結婚に興味がある方必読♪

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10.第1章はじまりのキス 10節変な嫉妬心

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今日は、彩花がロンドンで一番好きな場所に2人で行くことになっていた。
「やあ」
「今日も寒いね。コーヒー買っていかない?」
「いい考えだ」
イギリス人は時間を守らないとよく言われるけど、ジョンは絶対に遅刻しないし、むしろいつも彩花よりも待ち合わせ場所に早く来てくれている。そして、彩花を見つけると、本当に可愛い笑顔でおはようと言って抱きしめた。
「観光客みたいだけど、月に一回はバッキンガム宮殿の衛兵交代を見に行かないとなんか落ち着かなくって」
「問題ないさ。バッキンガム宮殿はイギリス人の心だし、僕も大好きだよ。でも、なにか特別な理由があるの?」
「うん。中学生の頃にね、ロンドンにホームステイしたことがあって、その時のホストファミリーが連れてきてくれたの。初めてバッキンガム宮殿を見たときすごく天気がよくって、あ~なんかロンドンが私を呼んでるなあ~って思ったの。今それが間違いなかったって思ってるよ」
「なるほど。それは本当に間違いなかったんじゃないかな。多分僕もその呼び寄せてる声の中にいたんじゃないかな。早くロンドンにおいで~って」
そう言って、ジョンは彩花の手を握った。彩花も強く握り返した。周りから見れば、彩花達はどう見たって恋人同士だった。
「そうだ! 来週の金曜日キミのインターン最後の日でしょ? みんなで飲みに行った後ちょっと連れて行きたい場所があるんだ。多分ロンドンがもっと好きになると思うよ」
「ありがとう! 楽しみ」
――インターンも来週で最後か~。3か月ってあっという間すぎてビックリしちゃう。ジョンともあんまり会えなくなっちゃうのかな。
「ねえ、あの日本にいた時、素敵だなと思ってた女の子とは今は本当に何もないの? 好きだっただけにしては、大切に写真とっておいてるんだね。今までの彼女の写真とかもとってるおいているの?」
――なんでこんな嫌味なこと私言ってるんだろう。ジョンがすごく困った顔をしてるのはわかってる。でも、聞いておかないと、ずっと気になって気になって他の事が手につかなくなりそうなの。

「実は、彼女一度ロンドンに遊びに来てくれたんだ。僕はすごくうれしくって、両親に紹介したんだよ。でも、彼女が帰国する際また遊びに来てほしいって話をしたら、もう会えないって言われてしまって、それから一切連絡が取れなくなってしまったんだ。もしかしたら僕の両親が何か言ったのかもしれないって思って、聞いてみたけどもうそれにも返信もなくて… …」
「そうなんだ」
「でも本当にそれだけ。前にも言ったけど、僕はキミの方がとても魅力的だと思ってるし、キミだって僕の気持ち、わかってるだろ? 」
「じゃあなんで、その女の子のことキレイとか素敵な人だったとか言うの? それに、キミの友達の女の子の方が私なんかよりもっともっと魅力的な人がいっぱいいるよ。わかんないよ。キミの考えていることがわからない」
「僕の好きになる人はみんな魅力的な人だよ。ただ今まで出会った人の中でもキミは一番魅力的だってことを言いたかっただけだよ… …。逆にキミが怒っている理由の方が僕にはわからない」
ジョンはその人の事を、両親に紹介するほど好きだったのかななんて思うと、そんなピュアな彼に対して中途半端な気持ちでふわふわしている本当に恥ずかしくなって、彩花は今自分がどうすべきなのかわからなくなってしまった。何よりも彼に対して失礼だなと思った。
――私は日本に彼氏がいるくせに、変な嫉妬心を出して彼を困らせてこんな話をさせて、ジョンから好かれているかもってぬくぬくしてて、本当にバカだ。情けなくって消えてしまいたい。こんな素敵な人と私は釣り合わない。きっと。ジョンの両親だってきっと私の事をすぐに見抜くに決まってる。
そう思ったら、もうこれ以上ジョンと一緒にいてはいけない気がして、彩花はこの日を最後に2人きりで会うのはやめたほうがいいのかもしれないと思った。自分のけじめのためにも。その日の帰り、ジョンは彩花をいつもみたいに家まで送ってくれたけど、軽いハグだけで、ほっぺにキスもいつもみたいな笑顔も見せてくれなかった。
――やっぱり文化の違いって超えれないのかな… …
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公開日:
最終更新日:2015/07/31