New ロンドナーになるのだ!

Twiggyをこよなく愛するチオリーヌのロンドンライフやイギリス人夫との国際結婚ネタをお届け!イギリスへのワーホリ、語学留学、国際結婚に興味がある方必読♪

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13.第2章知らなくちゃいけないこと 2節夢なのか現実なんか

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「ベス、今日はありがとう」
3人で食事しながら、彩花はベスにお礼を言った。
「本当にあのドレスはあなたによく似合っていたわ。ドレスの選び方って、本当に値段やブランドじゃないと思うの。その人の持っている魅力に少しスパイスを与えてあげるっていう感じかしら。だからもともといいものを持っている人は、たとえそれが10ポンドのドレスだったとしても1000ポンド分に見えるような着こなしが出来るわ。あなたはもともと東洋人として私たちにはない美しさを持っているから、きっとパーティーでも魅力的な存在になれると思うわよ」
自分が素敵だなと思う人から褒められることほど女性にとって嬉しい事はない。ベスのお蔭で彩花は週末のパーティーが楽しみになっていた。
ただ、彩花はこの時ちょっとおしゃれに決めた誕生日会をするんだろうくらいに考えていた。イギリスでは実家でお誕生日パーティーを行うことは、珍しい事ではなく普通のことだったし。
「やっばい。もう3時になっちゃう。急がなくちゃ」
ピピピッ、ピピピッ… …。
ジョンからの電話が鳴る。
「準備できてる? 今君の家の外で待ってるよ」
「ありがとう! すぐに行くね」
外に出ると、真っ白のリムジンが停まってて、その前にジョンが立っていてスマートなタキシードに蝶ネクタイ付けた、まるで映画の中のイギリス紳士そのものだった。

「さすがイギリス人の誕生日会。パーティーにはリムジンをチャーターしちゃうんだね」
ロンドンでは、お誕生日会やお別れ会などパーティーをするときにリムジンを借りることがよくあって、週末になるとロンドンの中心部ピカデリーサーカスはリムジンをよく見かける。
「はははは。ネオンいっぱいの? 違う違う。これは家からの迎えの車だよ。車で2時間くらいかかるからさあ、乗って!」
「え!? 迎えの車?」
彩花は一気に不安になった。ジョンに手をひかれて車に乗り込む。
ジョンに恐る恐る今日のパーティについて聞いてみると、親戚やら友達やらで食事会といった感じだと言う。彩花の不安をよそに、あっという間にジョンの実家までの2時間は過ぎた。
「… …!? え? ここなの?」
「そうだよ。もうみんな集まっている頃だと思う」
その時、彩花の心の中に少しだけ残っていたワクワクが全部泡のようにはじけ飛んだ。だって、ここだよって言われた家が、家っていうよりも、ものすごいお屋敷だったから。石造りのゴージャスな家は観光地以外で見たことはない。大きなゲートをくぐりぬけると、まるで映画のセットの中に迷い込んだような気持ちにさせる庭が広がっていて、季節によって色とりどりの花を植えるであろう花壇には3月に見ごろになる、ヒヤシンスの紫と水仙の黄色がぎっしりと植えられていて、甘い香りがただよっていた。丸い形にしっかりと刈り込まれた木々が並び、お屋敷の前には大きな噴水がキラキラときらめいている。彩花は今自分がどこにいるのか、夢なのか現実なんかわからなくなった。
●目次
●『大変なところに来てしまった』にすすむ

公開日:
最終更新日:2015/07/31