New ロンドナーになるのだ!

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23.第3章試練 4節いつもと違う雰囲気

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「アヤカ?」

心配そうにジョンが駆け寄ってくる。

「キミ、疲れてるんだろ? 最近大学の論文も忙しそうだし、今日はもう家に帰った方がいい」

「疲れてないよ。ただガーデンがきれいだなあって見てただけ」

「いや、疲れてるよ。エイミーもキミが疲れてるみたいだから、家に帰らせた方がいいって言ってたし」

「疲れてないって言ってるじゃない」

「何をイライラしてるんだい? 車をすぐ呼ぶから家に帰ってゆっくりして」

「え… …。キミは帰らないの?」

「僕は今日は実家に泊まっていくよ。ちょっと待ってて」

彩花を残してジョンは車を呼びに行ってしまった。

――エイミーだ… …。

彩花が思っている以上はエイミーは本気だった。

「じゃあまた連絡するから」

ジョンは彩花にキスとおやすみを言って車から離れた。暗い車の中1人、彩花は不安で涙が止まらなくなった。

――真剣に恋してたのは私だけ? でもそうだとしたら、誕生日会の時の舞踏会で私に一緒に踊ろうってみんなの前で言わないはず。私はジョンを信じたい。

不安との戦いだったけれど、論文の忙しさがなんとか彩花を紛らわしてくれた。ジョンも忙しいようで、メールを送っても返信がなかなか返ってこない。

夜12時、携帯電話の着信音が鳴る。

「あ、ジョンからのメールだ」

“忙しくて返信が遅くなってごめん。論文進んでるかい? 忙しい中、僕の家の行事に色々と参加してくれてありがとう。キミが一生懸命努力してくれてるのも本当によくわかるよ。ただ、もしその行事がキミにとって疲れることであるなら、無理はしなくていいから。僕はキミにいつも自然体でいて欲しいし、勉強も頑張って欲しいから”

――なにこれ、どういうこと? もう来なくていいってこと?

メールの文章は平らで、どんな気持ちで相手が言っているのかわからなくてしばしば人をイライラさせる。

“心配してくれありがとう。論文がんばっているよ。来週約束しているヘンリー・レガッタは私も楽しみにしていたイベントだしぜひ参加したいんだけど”

いつもジョンは、彩花がメールの返信をするとその返事は電話でくれることが多かった。だけど、この日はそっけなくメールただ“OK”と返ってきただけだった。いつもと違う雰囲気が漂っていた。何かがあの日から崩れ始めていた。
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公開日:
最終更新日:2015/07/31