New ロンドナーになるのだ!

Twiggyをこよなく愛するチオリーヌのロンドンライフやイギリス人夫との国際結婚ネタをお届け!イギリスへのワーホリ、語学留学、国際結婚に興味がある方必読♪

*

25.第3章試練 6節見返してやりたい

photo25

それからもお誘いが来た時には、たとえエイミーが参加するとわかっていても参加した。ロイヤル・アスコットやヘンリー・レガッタのような行事以外にも貴族はチャリティーパーティーに参加することも多い。彩花も何度もジョンに連れられて参加しているが一つだけ疑問に思うことがあった。チャリティーといっても、募金箱を持って街を歩くと言ったものではなく、パーティーを開いて参加者から参加料金を集め、それを寄付金として利用するという方法なのだ。

「なんでチャリティーパーティーなのにこんなに派手にパーティーを行うの? 」

「チャリティーパーティーを開くからには多くの寄付金を集めなくてはいけないんだよ。だから、派手にパーティーを行って、著名人を集めることでマスコミにも大きく取り上げられるだろ? そうすると、次から次への新しく著名人たちが集まってきて参加費を集めることができる。そうすると、寄付金をより多く集めることができるんだよ」

「なるほどね」

もちろんこのパーティーも社交の場ということでたくさんの貴族たちが集まってきていた。基本的に、カントリー・ハウスのお庭や公園などにテントが張られてそこでパーティーが行われるという形なのだが、広大な庭を持つ貴族の個人宅で行われることもあるその時は自家用ヘリコプターでやってくる人もいて、スケールが多きすぎて驚かされた。でも、パーティーで楽しく過ごして、ちゃんと募金も行えるならとてもいいシステムだと彩花は思った。パーティーの参加費はいつもジョンが持っていたんだけど。

ジョンと2人の時は、とにかくマナー、ドレスコード、それぞれの爵位の呼び方の練習の日々だった。

「食事の時ナプキンがお皿の上に乗っているけど、キミは今どうしてる?」

「広げて膝に乗せてるけど… …」

「それはイギリスではダメだよ。ナプキンを膝に置くときには二つ折にして、折り目を手前に持ってくる。二重にすることで下にしみにくくなって、内側を使用すればナプキンもきれいに見えるだろ?  ナプキンを膝に置いたまま使わずにハンカチを使うと、ナプキンが汚れているという意思表示になるから注意が必要だよ」

「わかった」

「次に、スープを飲むときどうやってる?」

「それは知ってるよ! 日本でフレンチをよく食べに行っていたし、奥から手前にスプーンですくうんでしょ?」

「絶対に間違いとはいえないけど、イギリスでは手前から奥に向かって救うのが基本なんだ。フォークをナイフを使う時には、キミは右利きだからフォークを右手に持ち替えたほうが食べやすいとは思うけど、それはマナーとしてはよくないね。豆料理とかの食べにくいものがでたとしてもスプーンは使ってはダメだよ。フォークの背で少しつぶしてからすくって食べるんだ」

「難しいなあ。食事に全然集中できないじゃない」

「慣れれば大したことないよ。キミならすぐにできるようになる。もっと素敵な女性になれるよ」

ジョンにそう言われると、もっとぶつぶつ文句を言いたいところだけどちゃんと我慢することができた。エイミーを見返してやりたいという気持ちも大きかった。

「ワインを注いでもらう時には、グラスに触れないこと。飲むとき以外は一切触れないことがマナーだよ」

イギリス式のマナーはとても厳しいし難しいけど、日本の皇室をはじめ、世界中の上流階級の人たちがイギリスに留学する理由が彩花にはなんとなくわかった気がした。世界で一番美しい英語を話し、世界で一番素晴らしいマナーを身に着けることは上流階級の人たちの“あたりまえ”をしっかりとイギリスで作り上げるのだ。ジョンは今必死で彩花を一流貴族の女性になるために磨き上げてくれている。その期待に応えるために、彩花も必死だった。

でもある日突然、ジョンから思いがけない言葉を言われることになった。いつものようにマナーを教えてもらっていた時だ。
●目次
●『7節もう私頑張れない』へすすむ

公開日:
最終更新日:2015/07/31