新婚旅行で喧嘩して離婚したいと思ったお話

去年の6月、新婚旅行をかねてアメリカに旅行したとき、いわゆる成田離婚ならぬヒースロー(イギリスの国際空港)離婚に陥りそうになったお話です。私とマーク大先生は基本的にあんまり喧嘩をすることもなければ、喧嘩になっても基本5分くらいギャーギャーいうておさまる感じです。ただ新婚旅行中に起きた喧嘩というか事件というか、これに関してはその時ばかりは「くそう、結婚失敗したかもしれねえ、くそう」と思った瞬間があったんです。

事件はアメリカ・シカゴで起きました。夜、食事をしたあとに食べきれなかったサラダをみてマーク先生が「よし、お持ち帰り用の箱に入れてもらってホームレスの人にあげよう!」と言い出したのです。

ナ、ナニー!?新婚旅行中のロマンチックなディナーの後にホームレス探し!?

私は心の中でそう叫びつつ、「え?」とだけ言いました。するとマーク先生は

昼間シカゴの街を歩いていたときにたくさんのホームレスの人を見かけたんだ。食事を残しても捨てられるだけだし、その人達にあげよう。きっと喜ぶと思うし。

とのこと。私はその時完全に嫌な顔をしていたと思うけど、100%意味のあることだと思っているマーク先生は私のそんな表情は完全に無視で店員さんにお持ち帰り用の箱を2つをもってきてもらっていそいそとつめ始めました。

そして店を出るとさっそくホームレス探しを開始。この時時間は夜の9時頃だったとおもうんだけど不思議なことに昼間あんなにたくさんいたホームレスたちがまったく見当たらないのです。きっとシェルターに行ったり、教会やチャリティー団体が行っている炊き出しに行ったりしていたのではないかなあと思うのだけど、蒸し暑いシカゴの街をサラダ入り持ち帰り箱を持って練り歩き続けるマーク大先生。それに若干不機嫌な様子でついていく私。そしてあまりにも見当たらないので私が

もうやめようよー。なんで新婚旅行に来てんのにホームレス探しなんてしなくちゃいけないのー

と文句を言うと

別に今なんかやりたいことあるの?ないんでしょ?だったらそんな態度とらないでよ。僕、何も悪いことしてないでしょ!?

と若干怒り気味。

そしてさらに歩き続け見つけたホームレスに箱をあげようとするも中身を聞かれ「サラダ」と答えると「いらない」との回答が……。結局1時間以上歩き回って3人のホームレスに声をかけ、1人だけそのサラダの入った箱を受け取ってくれたもののもう一つの箱は残ってしまい捨てる羽目に。私はこの時「新婚旅行なのにこんなわけのわからないことをさせられた!!!!!」という怒りでいっぱいでまさにその通り思ったことをぶちまけたんだけど、マーク先生側の言い分はひたすら「僕はなにも悪いことしてないし、怒る方がおかしい。謝る気はないよ」の一点張り。まさにこの瞬間、

あーもう無理だよ。ロンドン戻ったら速攻日本帰ろう。

と思ったんだけど、だんだんと冷静になって考えてみると確かに何も悪いことはしてないなと。むしろ良いことしようとしてんなと。今でも私が怒っていた理由を明確に言うことは出来ないんだけどね。

という訳でヒースロー離婚するわけでもなく、今に至っています。

彼のこういった自然とわき出てくる奉仕の気持ちはホームレスに対してのみならず友達や同僚に対しても同じで、時に私は「あんた、そこまでやってあげる必要なくない?あんたに何の利益があるわけ?」とか思って(たまに口にだしてまで言ってしまうこともある)しまう訳だけど、全てはマーク大先生の母ちゃんの教え、そして幼いころからしっかりと学んできたキリストの教えが軸にあって、6年間やそこらカソリックの学校行ったエセ野郎の私の考えなどどれほど小さくてしょっぱいものなのかしばしな思い知らされているのです。

とはいえ、私が怒りを覚えた気持ち、きっとみんなに分かってもらえるとおもうけどなあ(笑)









2 件のコメント

  • 宗教の教えが、個人の考えの軸になっているのですね。無信仰の私は、彼等、彼女らから見ると、何を軸に良し悪しを判断しているのか分からないのでしょうね(^^;;

    • 番兵さん、コメントありがとうございます!そうですね。宗教の教えが個人の考えの軸になっている、まさにその通りだと思います!私も無信仰の1人でしたが、マーク一族の考え方にはとても好感を持てるので、その教えで将来は子どもを育てていければなと思ってるところですね。でも将来ハネムーンの間に、ホームレス探しをするのだけはやめろと伝えたいところですが…!

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

    日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)