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語学留学を経て、イギリス人夫と国際結婚! 在英7年目の33歳 妄想を現実化するためにトライ&エラーを繰り返すその実験結果を記しています

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「そばに居てくれて当たり前」という考え方を改めること-母の膵臓がん末期の看護を通じて学んだこと ストーリー3

      2019/02/20

こんにちは、チオリーヌです。

ここ数回に渡って、母の膵臓がん末期の看護を通じて学んだことを書いています。

前回のブログでは、がん治療の病院から苦痛を和らげることに焦点を当てる緩和ケア科のある病院へ移り、劇的な変化があったことについてまとめました。本日はその続きです。

痛みのケアに焦点を当てていても波はある

緩和ケア科に移り、食欲が戻ってきて以前よりも毎日を穏やかに過ごせるようになっていた母でしたが、やはり痛みの波はありましたし、がんの治療は止めていたのでがんは進行していました。

1週間に1回くらいのペースで痛み止めの強さが上がっていっていたし、強い痛み止めを入れてもらっても数時間痛みで「痛い痛い」と言い続けることもありました。

1月5日ころには痛みがあまりにも激しく、お医者さんからも「おそらくあと1週間位だと思います」と私達家族には伝えられていました。でもそこから再び痛みは収まり、穏やかな生活が戻って来たのです。

緩和ケア科の看護師さんたちの家族へのケアに感心

ここ数年の間に2回引っ越しをしていたことや、母は糖尿病がひどくなってからは外出することを嫌がるようになっていたこともあり、母には親しくしている友達が誰もいませんでした。そして母本人も、家族以外の誰にも会いたくないと言っていたことから、病院にお見舞いに行くのは父、弟、私の3人だけ。

母のいた緩和ケア科は24時間いつでも病院にお見舞いにくることができたので、父は朝と夕方の2回、私は昼と夜の2回、弟は夜の1回、毎日お見舞いに行くようにしていました。それを見ていた看護師さんたちが「疲れていませんか? 大丈夫ですか? なにか話したいこととかがあればいつでも声をかけてくださいね」と毎日のように声をかけてくれていたことに今でも感謝しているし、その心遣いにとても感心しました。

「そばに居てくれて当たり前」という考え方を改めること

母の闘病生活を支える過程で、悲しい、辛いという気持ちを超えて気付かされた大切なことがありました。それはパートナーや家族は「そばにいてくれて当たり前」という考え方を改めることです。

母が入院してから、父の生活スタイルがガラッと変わりました。父はこれまでとにかく仕事一筋という典型的な仕事人間で、役職が上になればなるほど平日もほぼ毎日会食で家で食事をすることはなく、週末は接待のゴルフに出かけるという生活でした。母もその生活スタイルに別に文句をいうこともなく、家のことはすべて母に任せていた父。

父の計画としてはあと2年ほどで退職したら、母と一緒に旅行に行ったりして過ごそうというものでした。

でも予期していなかった母の末期がんがわかり、父はすべての出張、会食、接待ゴルフをキャンセルし、できるだけ母と過ごせるように時間を取るように。その父の姿は2人で過ごしてこなかった時間を取り戻すために必死になっているようにも見えたし、すごく後悔しているようにも見えました。

また、私は人生の中で父が涙を流している姿は、母方の祖父が亡くなったときだけだったのですが、母の闘病生活を支えながら父は母のことを想ってよく泣いていました。こんなに感情を表に出している父を見たのは初めてです。

実は私も弟も、父と母の愛は冷え切っているものだとばかり思い込んでいたので、毎日仕事で疲れていても朝早く起きて病院に行き、母に会ってから仕事に行き、仕事を早く引き上げて再び病院に向かう父の姿にすごく驚かされてました。

「お父さんってお母さんのこと大切に思ってたんだね」なんて、弟と話したりもしたくらい。母に「お父さんが、お母さんと話したことを嬉しそうに私に話してくるよ」と話すと、「お母さんってすごく愛されているでしょ?」と嬉しそうに言ったのもすごく印象的でした。

入院中、病気が進行してどんどん弱っていく母でしたが、不思議なことに母は今まで見てきたなかでも一番幸せそうというか、満たされているような表情をしていた気がします。

長年交際していたり、結婚生活を送っていたりすると、一緒にいることが当たり前になっていきますよね。そして、一緒にいることが出来るというのはどれほどありがたいことなのか、心の支えとなっているかということを忘れてしまうもの。わたしも結婚生活たった5年なのに、意地悪な態度をとったりすることもたくさんあります。それは「愛されていることが当たり前」だと想っているからこそゆえの行動だと言えます。でもそれではダメだと、悟ったのでした。

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