症状が悪化するまでなかなかその事態に飼い主が気づくことが難しいハリネズミ。
かなり症状が進んでしまってから「ご飯を食べない」「歩き方がおかしい」「口が腫れている」など、目に見える形で病気であることがわかることが多いんです。
今回はわたしのハリネズミ、プリックルズ通称プリさまの食欲が減退したので、なにか病気になってしまったのかもしれないと思い急いで病院に連れて行ったら根尖性歯周炎だったお話を書きたいと思います。
※わたしはイギリスでヨツユビハリネズミを飼っています。日本とは治療工程が違う場合はありますが、この記事は日本のみなさんにもお役に立つはずなと思っています。
Contents
ハリネズミの根尖性歯周炎の症状
まず、わたしがプリさまの様子がおかしいと思ったきっかけをまとめてみました。
ミルワームの皮を残すようになった!
いつも野獣のように生のミルワームを食い散らかすプリさまが、皮だけ吐き出していたのです。
最初は「今回買ってきたミルワームが成長しすぎてて、皮が硬かったのかも」と思っていました。
ふやかしごはんも残すようになった!
でも2、3日、ミルワームの皮を残すことが続き、更には、ふやかしごはんも残すように。
一切手を付けていないミルワームも残るようになりました。
食欲が減退している!
いつもならごはんをケージに入れるとすぐに寝袋から出てくるのに、出てこない……。
ふやかしごはんのお皿をプリさまの顔の前まで持っていっても、「プシュっ」と言ってそっぽを向いてしまいます。
食べ物を口に入れると大きく口を開けて痛そうな顔をする!
食べている姿を観察していると、口の中に食べ物を入れた後に、大きく口を開けて、痛そうな、なにか喉に詰まっているような顔をしていることに気が付きました。
顎が腫れている!
プリさまの右側の顎付近が腫れていました。でも口の中を見ても、赤くなっているような歯茎は見えなかったんです。
口からよだれが出ている!
腫れている右側の口からアンティングではない、泡のようなよだれが出ていました。
ハリネズミの口の周りの腫れは歯周病や腫瘍の可能性が高い
ハリネズミは口の中に問題を抱えやすい動物と言われています。
一般的にハリネズミの口周辺の病気は……
- 歯周病
- 歯肉炎
- 口内腫瘍
ハリネズミの食欲が減退することや、口の周りの腫れによって飼い主が気がつくことが多いです。
ハリネズミの口周辺の病気の検査工程
多くのハリネズミたちが、危険を察するとまん丸に丸まってしまいます。
特に動物病院にいるときには、いつも以上にガッチガチに丸まってしまうことがほとんど。
これでは検査しようにもできないので、丸まってしまう子は麻酔で眠らせる必要があります。
まず動物病院の先生は、まだ精密検査をしていない初見時点で「腫瘍の可能性が高い」とわたしにいいました。(まだ精密検査してないのに、そんなこと言うな!とちょっとイラッとしましたが……!)
そして口の中のあるものが腫瘍だった場合の検査工程はこのようになると。
口内腫瘍である場合の検査工程
- 麻酔
- レントゲンで口の周りを確認
- 口内をチェックし、腫瘍から注射器で細胞を採取
- 採取した細胞を特別な検査センターに送り、腫瘍の詳細を確認
- 検査センターから戻ってきた腫瘍の結果をみて、治療法を決めていく
残念ながら、今の所、口内腫瘍が悪性だった場合、完璧な治療法が見つかっておらず、手術することが難しいことがほとんどなのだそう。
治療法と言っても、痛み止めのお薬を与えながら、ハリネズミらしく生活出来るまで見守ることしかできません。
そして、プリさまの口内の検査を開始してもらうと、先生の予測とは全く違う結果が……。
プリさまは深刻な根尖性歯周炎であることがわかりました。
ハリネズミの歯周病が悪化した根尖性歯周炎の状態
簡単に説明すると、歯周病が悪化し、歯の根っこが炎症を起こしていて、その炎症が顎(あご)にまで広がっているという状態になってしまっていたのです。
今現在この炎症が、あごの骨にまでダメージを与えてしまっているため、根っこが炎症を起こしている歯を無理やり抜歯すると、あごの骨が砕けることになるという恐ろしいことを言われました……。
プリさまの食欲減退の原因は、あごに力が入らないことや歯が痛いことにあったことがわかりました。
ハリネズミの歯周病が悪化した根尖性歯周炎の治療方法
先生は最初、プリさまの病気は「口内の腫瘍である」と言っていましたが、実際は「歯周病が悪化した根尖性歯周炎」であることがわかったので、治療法が変わってきます。
こちらが先生から提案された治療方法です。
歯周病が悪化した根尖性歯周炎の治療方法
- 4週間かけて、抗生物質で炎症を抑える
- 4週間後にレントゲンで口の周りを確認
- 炎症がおさまっていたら、根っこに問題を抱えている歯を抜歯
この治療中は与えるのは柔らかいフードのみ、痛み止めのお薬も服用します。
ハリネズミの歯周病治療経過
現在の時点で抗生物質、痛み止めを与え始めて3日目となりますがその治療経過はこんな感じです。
歯周病治療経過3日目
- 痛み止めが効いているようで、ごはんをもりもり食べるようなった
- あごの腫れの大きさはいまいち変わらず
- 大きな口を開けてのどに何かつっかえているような顔はしなくなった
- お薬の副作用のせいか、まずい薬を当たられているストレスのせいか、緑のうんちをしている
大きな変化は、ごはんをちゃんと食べているところですね。
痛み止めの効果がかなり出ているようです。
抗生物質も効いて、腫れも引いてくることを願っています。
まとめ
イギリスでの治療費の話になりますが診察代、レントゲン、お薬代など含め、一回の動物病院検診で3万円近くの費用がかかりました。
おそらく4週間後、抜歯をすることになったら、3万円以上の費用が追加でかかってくることが予想されます!
愛するハリネズミ、プリさまのために頑張って働かねばなりませんね。
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