イギリス人夫に母親の葬儀出席は遠慮してもらった話

こんにちは、チオリーヌです。ここ数回に渡ってブログに母が膵臓がんで亡くなってしまった話を書いてきました。そして本日は、イギリス人夫マークに母親の葬儀出席は遠慮してもらった話を書いていきたいと思います。

外国人夫に母のお見舞いも葬式に出席も断ったわけ

昨年11月に母が末期がんであることが分かり、その後12月中旬から母の葬儀が終わる2月初めまで私は日本に一時帰国していました。イギリスに暮らすマークとは毎日フェイスタイムで連絡を取り合ったりしていて、マークも日本に来てお見舞いに行きたいと何度も言ってくれてはいたのですが、その気持ちだけは受け取って、来てもらうのはお断りしていました。

その理由は2つありました。1つは「母が家族以外の誰にも会いたくないと言ったから」。抗がん剤の化学治療を一度受けた母は、髪の毛も抜け落ちてしまっていたし、食欲がないことからかなりやせ細ってしまっていました。そのこともあり、私と父、弟以外の誰にも会いたくないと言っていたのです。もちろんマークは事実上家族の一員ですが、正直なところ私の母にとっては「気を使うお客さん」でもあります。母にも「マークがお見舞いに来たいと言っているよ」と伝えましたが、「こんなに遠くまで来てもらうのは申し訳ないから気持ちだけで嬉しいと伝えておいてね」と言われました。これが日本にお見舞いに来てもらうのを断った1つ目の理由です。

2つ目の理由は「マークが来ることは残念ながら私、父、弟の負担になってしまうから」。毎日フェイスタイムやメッセージのやり取りをして、マークは私の心の支えになってくれていたことは事実だし、とにかく感謝しています。ただ、マークが日本にやってきて1週間滞在するとなると、その期間中日本語が全く話せないマークと英語がほぼ話せない家族の間に立って、私は通訳をし続けなければなりません。私にはそのパワーは正直言ってありませんでした。そして父、弟も母のことで精神的にも体力的にも疲れているのに、日本に来たマークをおもてなししなくてはならないとなるとさらに気を使うことになります。

もちろんマーク本人もその点は考慮していて「僕が日本に行くことで負担になることは分かっているから、もしそれでも必要であれば行きたい」と言ってくれました。申し訳ないとは思ったけれど、やはり今は母のことに集中したいということで、日本に来てもらうことは断りました。これが2つ目の理由です。

日本のお葬式のプロセスはイギリス人にとって衝撃的だと思う

今まで3回ほどイギリスのお葬式にも出席したことがあるのですが、その3つとも、故人が亡くなってから2、3週間後くらいにお葬式が行われ、30分ほどのお葬式のセレモニー、そのあとお食事会というシンプルなもの。セレモニーの最中には生前に親しかった人や家族が楽しい思い出を語り、生前に故人が好きだった音楽を流したりと、悲しくて参列者たちがずっと泣いているという雰囲気ではありませんでした。故人の顔を棺の小窓から覗くこともありませんし、お骨拾いもありません。

その一方で日本では2回ほど葬儀には参列したことがあったけれど、お通夜とお葬式に出席するだけで、お通夜までに親族がどんなことをしているのかというのを私は知りませんでした。

33歳にして、日本の葬儀のフルプロセスを目の当たりにした私は、正直すごくショックというか衝撃を受けました。おそらくマークはあの場に居たら耐えられなかったのではないかなと思います。日本のお葬式のプロセスは、シンプルなイギリスのお葬式のプロセスに比べて、かなりショッキングではないかなと。

初めて「国際結婚って大変だな」と思ったことの一つでした

こんなにも人生において、母の死が早くやってきてしまうとは思っておらず、今回の経験は初めて「国際結婚って大変だな」と思ったことの一つでした。

イギリスで国際結婚している日本人の先輩たちから、日本に暮らす親が入院したり亡くなったときに日本とイギリスを行き来して大変な時期を過ごしたという話を聞いたことはありました。そして、何人ものひとから「お葬式には外国人の旦那さんには来てもらうのを遠慮した」という話も聞いていたので、今回マークには申し訳ないという気持ちもあったけれど、勇気を持って遠慮してほしいということを伝えてよかったと思っています。









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