生理痛を緩和するためや、ホルモンバランスを整えるため、そして避妊ために取り入れられている「ピル」。
イギリスでは日本よりも多くの女性がピルを服用していて、種類もとても豊富。
さらに、イギリスでは無料でピルを処方してもらうことができます。
今回はイギリスで無料でピルを処方してもらう方法をご紹介します。
こんにちは、チオリーヌです。
日本では平均1か月3000円ほどするピルですが、なんとイギリスでは無料で処方してもらえます!
わたしは日本にいたときからずっとピルを使っていて、日本から持ってきたピルがなくなってからは、イギリスでピルを処方してもらうようになりました。
日本、そしてイギリスで数年間は「低用量ピル」を使っていたのですが、あるときから偏頭痛がひどくなり、「ミニピル」という種類のピルに変更。
そのあたりのわたしの経験も交えて、イギリスのピル事情をご紹介します。
イギリスで無料でピルをもらう方法

イギリスで無料でピルをもらうためのステップをご紹介します。
- まずは住んでいる場所の近くのGP(かかりつけの病院)に登録する必要があります。イギリスの国民保険サービスNHSのホームページから新たな患者を受け付けているGPを探します。
- 近所のGPを見つけたら、英語に自信がある場合は電話で、もし自信がない場合は直接GPに行き、受付カウンターで新規で登録したいと伝えます。
- 新規で登録するためには一度、そのGPのお医者さんと面談する必要があるので、面談の日の予約を撮りましょう。
- お医者さんとの最初の面談では、簡単な健康診断があり、なにか質問はないか聞かれます。その時に、ピルを処方してもらいたいと伝えましょう。
- もし今使っている、もしくは以前使っていたピルがあるならば、そのピルの名前を伝えます。同じものがイギリスにあれば、そのピルを継続して処方してくれますし、似たピルを提案してくれます。これまでピルを使ったことがない場合には、喫煙の有無やあなたの健康状態に合わせて、先生があなたにあったピルを提案してくれます。
- 面談後、まずは1か月分の処方箋をお医者さんが出してくれます。GPによってはその場で処方箋を貰えることもありますし、2日後に取りに来てねと言われることもあります。
- 処方箋を持って、薬局のカウンターに行きましょう。カウンターで処方箋を出すと、ピルを準備してくれます。無料なので、支払い等はいりません。
- 使い始めて1か月立つ前くらいにもう一度予約をとって、先生と面談します。そのときに、ピルを使ってみて不具合がないかどうか質問されます。問題がある場合はピルを変えてくれますし、問題がなければここで3か月分から6か月分のピルの処方箋を出してくれます。
- それ以降は定期的に先生との面談が必要になりますが、GPへ行きカウンターで「処方箋を出してほしい」と言うと、必要事項を記入する紙を渡されるので、それに記入して提出すると、2、3日以内に処方箋を準備してくれます。
イギリスにあるピルの種類は大まかに2種類

イギリスで処方されるピルの種類は大まかに2種類あります。
低用量ピル(Combined pill)
月経の周期をきちんとコントロールして、避妊はもちろん、月経痛の軽減やニキビの改善の効果があるされ、日本で幅広く使われているピルの種類です。
喫煙をしている場合にはこのピルは血栓ができやすくなるため、飲むことはできません。
ミニピル(The progestogen-only pill/Mini pill)
偏頭痛をお持ちの方や、喫煙をされる方、40歳以上の方に進められるピルの種類です。
このピルの特徴は完全に生理が止まることです。日本でもここ最近取り入れられるようになってきていて、イギリスでは昔から処方されているピル。生理は止まりますが、健康上の問題はあるわけではないようです。
ミニピルは生理が止まるけど安全?

3年ほど前、今まで生きてきて一度も偏頭痛に悩まされたりしたことのなかったわたしが、突然、眼の前がチカチカしたり立ち上がれないような頭痛に悩まされるようになりました。
1時間ほど横になれば症状は良くなるのですが、なにか変だなあと思いGPへ。
すると先生が「あなた、低用量ピル飲んでるわよね? もしかすると血液がどろどろになって、つまりかけてるのかも。ピルをミニピルに切り替えましょう」と言われました。
どうやら低用量ピルがわたしの体には合わなくなっていたようです。
すぐにミニピルに切り替えることになり、先生からミニピルの説明を受けました。
その説明の中で言われて驚いたのが、「ミニピルは生理が完全に止まる」ということ。
でも健康上の問題はまったくなく、生理が止まっているということはミニピルが作用している証拠とのこと。
ミニピルを飲み始めてから、眼の前がチカチカするような症状やひどい偏頭痛は収まりました。
そして生理がピタッと止まりました。
「子どもを作りたくなったら、ミニピルを飲むのをやめるだけ。やめたらだいたい2か月くらいで、妊娠できる体制が整うわよ」
と先生に言われていましたが、今年1月にミニピルをやめたら、ちゃんと1ヶ月後には生理が来ました。
3年間も生理が止まっていたのに、特に強烈に辛い生理痛があったということもなく、普通通りやってきて、それ以降ちゃんと28日周期で生理が来ております。
生理がないってこんなに楽なのねえと思っていましたが、ミニピルを飲み始めてからは性欲がなくなるという症状があったような気がします。
副作用的なものを感じたのはこれくらいです。
緊急避妊薬モーニングアフターピルもイギリスでは薬局で購入可能

なるべく使う機会はないに越したことはないのですが、もし避妊に失敗してしまい、妊娠を望まない場合に使えるのがモーニングアフターピル(Emergency contraception /morning after pill)。
日本では婦人科の病院に行かないと処方してもらえないモーニングアフターピルですが、イギリスでは薬局で簡単に購入可能です。
イギリスの薬局で購入できるモーニングアフターピルは下記の2種類
Levonelle
性交渉から72時間以内(3日以内)に飲むことで妊娠を防ぐピル。
薬局チェーンBootsでは15.99ポンドで購入可能。
ellaOne
性交渉から120時間以内(5日以内)に飲むことで妊娠を防ぐピル
薬局チェーンBootsでは35ポンドで購入可能。
モーニングアフターピルを無料でもらえるところもある
モーニングアフターピルを無料でもらえるところもありますが、週末はやっていなかったり、予約が取れなかったり、かなり長時間待たされたりすることも多いです。
モーニングアフターピルは少しでも早く飲むほうがよいことや、不安な時間を少しでも減らすためにも、薬局で購入するのが一番おすすめです。
念の為、NHSのホームページに記載されている、無料でモーニングアフターピルがもらえるところも記載しておきます。
- contraception clinics
- sexual health or genitourinary medicine (GUM) clinics
- some GP surgeries
- some young people’s clinics
- most NHS walk-in centres and minor injuries units
- most pharmacies
- some accident and emergency (A&E) departments (phone first to check)
お近くの sexual health clinic を探すならこちら
お近くの薬局を探すならこちら (※ここに表示される薬局の中には無料では提供してくれないところもありますます)
モーニングアフターピルは副作用がかなり辛い
望まない妊娠を防ぐモーニングアフターピルですが、薬を飲むことで一気にホルモンバランスが崩れます。
かなり体調が悪くなることも多く、ベッドから起き上がれないことも。
実際にわたしもモーニングアフターピルを使ったことがありますが、飲んだその一日は家で倒れていました。
まとめ
イギリスのピル事情についてまとめてみましたが、いがかでしたか?
今一度言っておきたいのが、ピルは避妊はできるけれど、性病感染は防げないのでご注意を!
ちなみにイギリスで「もしかすると性病にかかってしまったかもしれない……」と思ったときには、登録しているGP、もしくはNHS運営の性病科のクリニック(sexual health or genitourinary medicine (GUM) clinics)に相談することをオススメします。
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